フィリピンの開発という名のビーチ破壊
フィリピンの真白のビーチと青い海と言うと写真のような光景を想像するのでないだろうか。左がバンタヤン島、右がマラパスクア島である。 確かにリゾート開発が進んでいない所ではこのような美しい海岸が続いている。ところがリゾート開発が進んでくると話が違ってくる。また白い砂が取り去られることもある。地元の人の話によると、白い砂はセメントの材料として売れるため、貧しい地元の人が砂を採取して売ると言う。下の写真を見てほしい。 |
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両方ともマクタン島である。泥状のものが見えるだけで白い砂は見られない。白い砂は取り去られて売られてしまったのだろうか。 フィリピン政府は砂を取り去ることを黙認しているようだが、白い砂が取り去られその美しい姿をなくしていくのは実に寂しい。 |
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左の写真もマクタン島だが、これは白い砂が少し残っているのが見える。わずかこれだけ残っているだけである。 | |
これもマクタン島だが、リゾートホテルが多い東海岸でなく、北海岸である。ここも白い砂はまったく見られない。海岸にガラクタが散乱している。遠くに見える海はきれいなようだが、わざわざこの海岸を見に行く気にはならない。地元の人に聞くと昔は白い砂があったと言う。どうして白い砂がなくなってしまったのだろう。 | |
日本ではビーチは誰もが利用できる公共の財産である。ビーチを占用する場合は許可が必要である。リゾートホテルがビーチを占拠するなどは許可されるはずがない。ところがこれが許可されているのがフィリピンである。 | |
マクタン島のリゾートホテルのある東海岸である。ビーチから海に突き出しているコンクリートの壁が二つ見える。これでビーチと海を囲み、ホテルの所有地だと主張しているのである。私有物であるから、自由に立ち入ることはできない。このビーチを歩こうと思ってもコンクリート壁があるため、壁の向こう側へ行くことはできない。 | |
マクタン島の東海岸である。ビーチから海に突き出しているコンクリートの壁が三つ見える。ビーチや海をホテルやダイビングショップなどが個人の所有としており、このようなコンクリート壁で囲んでいる。この壁があるためにビーチにそって歩くことはできない。またこのようにたくさんコンクリート壁をつくると潮流が変わり、悪影響があるのでないかと思う。白い砂は流出したのだと言う地元の人もいた。 | |
マクタン島の東隣にオランゴ島というマクタン島よりさらに小さな島がある。ここはまだマクタン島ほど開発が進んでいない。自動車もほとんど走っておらず、オートバイとトライシクルが交通手段になっている。開発が進んでいないからきれいな白い砂が見られる。しかしここにもコンクリート壁があった。 | |
オランゴ島のビーチである。コンクリートの壁があるため、向こうの浜へ行くことができない。手前に海水のあるのが見える。海水のある所までコンクリートの壁をつくっている。この壁の向こうの浜へ行くには別の入口から入り入場料を払わなければならない。ビーチが個人所有になっている。 | |
これもオランゴ島のビーチである。ビーチの上にコンクリートの壁が建てられている。この壁はビーチに平行につくられているため、ビーチを歩くことの妨げにはなっていない。よく見るとこの壁の上に何か見える。次の写真を見ればわかるようにこれは割ったガラスである。 | |
他人の侵入を防ぐために割ったガラスまでうめなければならないのかと思う。 | |
オランゴ島のビーチも開発が進むとマクタン島のビーチのようにコンクリート壁で分断されてしまうだろう。そして白い砂もなくなってしまう。ビーチの個人所有を許すフィリピン政府の良識を疑う。フィリピンは確かにフィリピン国民の領土であり、ビーチの管理をどのようにするかはフィリピン政府の決めることである。しかし美しいビーチは人類共有の財産でもある。その美しいビーチが開発の名のもとに破壊されていくのを心から危惧する。またビーチを破壊すれば、当然観光客は失望し観光客は減少する。フィリピン国民にも悪影響は及ぶ。 |